卒業して1年、環境を変えることで成長してきた私

ブラックのオールインワンに身を包み、アイホールにモーブカラーのグラデーションをまとった堀未央奈さん。乃木坂46を卒業して約1年、着実に新しい挑戦を続けながら、彼女らしさはそのままに駆け抜けているように見える。「1人になったことで不安もあるけれど、どんな仕事をしていてもそれぞれの環境で異なる大変さはありますよね。私はこれまでにも環境を変えたときこそ自分が成長してきたし、その経験を確かに積み重ねてきた実感があります。変化を機に、自分の弱さを知ると同時に、それを受け止めて前に進める意外な強さを知ったことで、自分で自分を認められるようになったのだと思います。乃木坂46で過ごした時代や、卒業してからの挑戦がなかったら、いつまでも自信がない私のままだったかもしれません」

見る人によってイメージの異なる掘未央奈がいる

メンバーに囲まれたアイドル時代を経て、今は1人。さまざまな経験を自分の糧にする強さを持った彼女は芝居に挑戦したことで、さらに視野が広がったと話してくれた。「10代後半は、どうしてもみんな自分と人を比べてしまうことがあると思います。私も、他のメンバーや仕事で出会う華やかな人たちと自分を比べていた時期がありました。誰かを羨んで自分自身のコンプレックスや苦手な部分を強く意識してしまうかもしれないけれど、その感覚って誰にだってきっとあること。同じように誰かの素敵なところに気がついたとき、 “自分の良いところ”に目を向けられるようにしたいですね。芝居に挑戦して、ドラマから離れても自分自身に演じた役のイメージを重ねられたりするのを経験しました。それだけ役がなじんでいるということでもあるし、“見る人やタイミングによって、私のイメージって違うんだな”と実感した出来事。本当に身近な人が素の自分を知ってくれていればそれで十分で、“堀未央奈”がさまざまなイメージでみなさんの中に存在しているというのもタレント活動のおもしろさでもあると思っています」

自分以外の人生を生きる、“芝居”のおもしろさに気がついた

2019年には映画の主演も果たし、この1年でもテレビドラマへの出演を中心に俳優としての活動もめざましい。「演技がおもしろくなってきたんです」と語る彼女に、その理由について尋ねた。「アイドルとして活動しているときにはありのままの自分の表現を大切にしてきました。嘘をつくのが好きじゃなかったから、“演じる”ことに不安を持っていた時期があったように思います。その考えが変わったのは、主演した映画で山戸結希監督と出会ってから。役柄についてよく話し合ったことで、“嘘をつく”のではなく劇中でその人として生きれば良いんだと考えられるようになりました。台本はあるけれど、自分たちの演技次第で作品をより魅力的に変えられる。そう考えるようになってから、今の自分では選択しない・できないような人生を歩めるお芝居という仕事がますます楽しくなりました」

これからは誰かのために、自分の経験を使っていきたい

トーンアップしたい部分だけにルース セッティング パウダーをまとった素肌感を残したベースメイクが、モーブカラーで統一したシックなメイクに、フレッシュな印象をプラスしている。現在25歳、これから挑戦したいことは。「自分のために挑戦してきたので、今は自分以外の誰かの役に立ちたい思いが強いです。私自身が芝居を通して勇気づけられたので、作品を通しても誰かの役に立てるかもしれないし、それ以外の方法でも挑戦したいことがたくさんあります。私がこう考えるようになったのは、サービス精神が旺盛な母親の影響もあるかもしれません。自分がこれまでの充実した25年間で経験して得たことを誰かのために使いたい。それをお仕事にできたら、人生の素晴らしい財産になりますよね」